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この熱影響部は、質別T6やT4の熱処理材及び加工硬化材の場合には、図3.30に示すようにモデル化して、図中の点線で示すように溶接線から一定の範囲に強度低下を生じ、それ以外の部分は入熱の影響を受けない、と簡略化して取り扱われている。アルコア社の実験によると、板厚3〜25mmの範囲における熱影響部の幅bhは50mm(稀に75mm)、強度低下等価幅brは25mm程度であり、各国の規格はbr=25mmを採用している。アルミニウム合金船関係の基準では、強度低下域を考慮していないが、参考までに強度低下係数βを次に示す。
?@引張部材及び座屈を考慮する必要がない圧縮部材(軸方向変位のみを考慮する)
β=1−(Aw/A){1−(σyw/σy)} (3.9)
?A曲げ変形、又は圧縮座屈を考慮する必要のある部材(溶接線が材軸に平行で、かつ、対称な場合)
β=1−(Iw/I){1−(σyw/σy)} (3.10)
ここに、
A:全断面積
Aw:強度低下域の占める断面積
I:全断面積の中立軸に関する断面二次モーメント
Iw:断面中で強度低下域の占める部分の中立軸に関する断面二次モーメント
σy:母材の耐力
σyw:強度低下域の耐力

 

085-1.gif

図3.30 溶接部の模式図

 

 

 

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